名古屋市西区にあるこの四軒長屋は築80年。奇跡的に名古屋空襲の被害を逃れ、高層化する街の様子を眺めながら、ひっそりと路地に建ち続けてきました。

30年近く、物置状態だったため、南北に床の傾きが生じていました。それでも持ち主の「残したい」という強い思いがあり、リノベーションにいたりました。手がけたのは、同じく中村区の長屋に事務所を構え、地域の不動産屋さんとも協力しながら、長屋再生の実績豊富な建築家の向井一規さん（向井一規建築設計工房）。「風情を残しながら、シンプルでモダンなデザインに」との思いで、見事によみがえりました。

木格子が印象的な１階前室は、コンクリート土間になっていて、アトリエやギャラリー向き。奥室との間にある１段あがった4.5帖の板の間は、建具で完全に個室化することもできるので、お茶やお花のお稽古や、鍼灸や整体などの施術も可能です。SOHOとしてはもちろんですが、建物全体を工房兼ギャラリーショップとしてオープンにしてもおもしろいかも。

長屋ならではのご近所付き合いもほどほどに、歴史を積み重ねてきた古い家を楽しむことができる方におすすめです。

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