岐阜駅から車で15分ほど。長良川の北側の閑静な住宅街に建つ、築約90年の古民家です。南側の門から入ると、玄関の間、西側には仏間、座敷など和室が3室並びます。東側には、ダイニング、キッチン、トイレなどの水回り。立派な箱階段を上がると、2階には岐阜城を望むことができる茶室など、和室が４室と約6畳の収納庫があります。

造り酒屋を営んでいた、大家のKさんのひいおじいさまがこの家を建てたのは、昭和11年のこと。日中戦争に突入する前の良き時代の建築の名残が感じられます。1年前まで住んでいたKさんのお母さまはとてもきれい好きだったとか。台所を改修したのは20年前だと聞きましたが、つい最近手を入れたといってもおかしくないくらい、清潔に保たれていました。

家の東側には車2台が停められるスペースと広々したお庭も。花が大好きだったというお母さまが残した水仙が今も咲いていました。畑ができる広さがあります。長く丁寧に住まわれてきた家を見ると、心が温かくなります。どうか、再びこの家を愛する人と出会えますようにと願いながら、帰途につきました。

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