熱田神宮から徒歩数分のエリアに、木造の2階建てが建ち並びます。
一昔前まではどこにでもあったような、でもいまはほとんど見かけなくなった静かな町、熱田区大瀬子町。古くから魚市場があり、東海道の宿場町として栄えた歴史的界隈だったものの、近隣に戦闘機を製造していた愛知時計の工場があったため空襲で一帯は焼け野原に。大瀬子町だけが奇跡的に焼け残ったと聞きました。
一宮市で鮮魚卸をしていた祖父の得意先があったことからなじみがあった林さんは、この町に惹かれ、たまたま出会ったこの家を買いとり、改修することを決めます。

水回り（トイレとキッチン）を新しくし、2階南側を洋間にして天井を高く、南側の庭には築山とミスト発生装置を。玄関の丸窓など、当初から残る意匠を大切にしつつ、直すべきところは直す。
林さんが建築家の宮坂英司さん、大工の藤岡明義さん、庭師の古川乾提さんとチームを組み、細やかに手を入れて生き返った築65年の家は、名古屋市の歴史的建造物に登録されています。

林さんの希望は、町の歴史や雰囲気を気に入ってくれて、地域の方々とも良好な関係を築いてもらえる人に使ってもらいたいということ。
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